2011年8月15日(月) |
相続税の改正について |
平成22年12月16日に平成23年度税制改正大綱が公表され、相続税は格差是正と富の再分配機能の回復を図る観点から、課税が強化されることになったことはみなさん御存じだと思いますが、震災の影響で先送りされたままです。
先送りというだけで、復興のための23年度補正予算の検討と併せ、各党間で引き続き協議することととされ、平成23年6月30日の社会保障・税一体改革成案においても、資産課税については、「資産再分配機能を回復し、格差の固定化を防止する観点から、相続税の課税ベース、税率構造を見直し、負担の適正化を行う。これと併せ、高齢者が保有する資産の現役世代への早期移転を促し、その有効活用を通じた経済社会の活性化を図るとの観点から、世代を超えた資産格差の固定化にも配慮しつつ、贈与税を軽減する。また、事業承継税制について、運用状況等を踏まえ見直しを検討する。」とされています。
いずれにしても、24年度改正が大幅なものになると思っていた方が良いと思っています。
平成23年度税制改正大綱では、以下のような内容です。
[相続税の基礎控除]
(現 行) 5,000 万円 + 1,000 万円に法定相続人数を乗じた金額
(改正案) 3,000 万円 + 600 万円に法定相続人数を乗じた金額
[死亡保険金に係る非課税限度]
(現 行) 500万円に、法定相続人の数を乗じた金額
(改正案) 500万円に、法定相続人(未成年者、障害者又は相続開始直前に被相続人と生計を一にしていた者に限ります。)の数を乗じた金額
[相続税の税率]
(現 行)
税率
1,000万円以下の金額 10%
3,000万円 〃 15%
5,000万円 〃 20%
1億円 〃 30%
3億円 〃 40%
3億円超の金額 50%
(改正案)
税率
1,000万円以下の金額 10%
3,000万円 〃 15%
5,000万円 〃 20%
1億円〃 30%
2億円〃 40%
3億円〃 45%
6億円〃 50%
6億円超の金額 55%
これらの改正が行われると、相続があった場合に相続税を納めていた割合(4%程度)が、2倍ほどになるという試算がされ、これまで相続税がかからなかったケースでも数百万円の相続税がかかってくる層が増えます。例えば、財産が7,000万で、法定相続人が子2名の場合、現行0円だったものが、改正後は約300万円の税額になるということです。 |
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